
整形外科で相談可能な”筋肉痛“の効果的な治療について、この記事をご覧頂き有難うございます。
運動で普段使っていない筋肉を酷使し過ぎて、翌日あるいは翌々日に筋肉痛になってしまったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?そして、「この辛い筋肉痛の痛みをなんとかしたい!」と思いながら、家事や仕事に従事されているのではないでしょうか?
そこで、今回は”筋肉痛“による痛みに悩んでいる人達の助けに少しでもお役に立てたらと思い、この記事では”筋肉痛“に関する情報として、
・”筋肉痛“が起こるメカニズム
・”筋肉痛“を起こした時の効果的な対処法と治療法
・”筋肉痛“の効果的な予防法について
以上の内容について紹介していますので、もし今あなたが”筋肉痛“による痛みで困っている、または周囲の人から”筋肉痛“の痛みについて相談をあなた自身が受けた場合、この記事内容をご活用下さい。
“筋肉痛”が起こるメカニズム
筋肉痛を治すには、なぜ筋肉痛はどのようにして起こるのかを知ったうえで、もっとも効果的な対処をすることが必要です。
“筋肉痛“とは運動に伴って筋肉に生じる痛みのことですが、これには2種類あります。一つは「即発性(そくはつせい)筋痛」と言って運動直後に起こるものであり、この筋肉痛には筋膜の断裂による場合と、疲労物質が溜まることによって起こるものがありますが、多くは後者です。
この疲労物質とは、乳酸と一緒につくられる水素イオン(くれぐれも乳酸そのものではありません)であり、この物質によって筋肉が極度に酸性に傾くと、「痛い」「だるい」「重い」などといった感覚が生じます。
もう一つは、運動をした数時間後から翌日ないし2日後に生じる「遅発性(ちはつせい)筋痛」であり、これがいわゆる一般的に言われている”筋肉痛“を指します。
この筋肉痛が起こるメカニズムについては、実は未だ医学的には十分に解明されていません。
古くから、筋肉痛は運動した時に生じた疲労物質が関与しているという説がありますが、この遅発性筋肉痛が起こる頃には疲労物質は筋肉内から完全になくなっていることがわかっております。そのため、この説だけでは筋肉痛のメカニズムを説明するのは不十分ということになります。
一方、筋肉痛は運動によって傷ついた筋肉の繊維を修復する過程で生じる痛みであるという説があります。この時、筋肉を構成している筋繊維や周りの結合組織に微細な傷が生じます。傷ついた筋繊維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まります。
その際に「炎症」が起き、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)が血液中から出てきます。これらの刺激物質が、筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激することで、知覚神経を興奮させ、痛みとして脳へ伝わるのです。
実際に、筋肉痛が生じた時の筋繊維に微細な構造的損傷が見られたり、筋繊維内のタンパク質や炎症反応によって発現するタンパク質が血液中に現れることから、この説は多くの研究者から支持されています。
しかし、筋肉痛は筋損傷に至らないマイルドな運動でも生じることがあります。さらに、筋肉を圧迫したり、動かしたりした時のみ筋肉痛は起こります。そのため、この「筋繊維の微細な損傷に伴う炎症反応説」のみで、筋肉痛のメカニズムをうまく説明できません。
最近では、下り坂を走ったり、重い物を下ろすなど、筋肉が重力に対してブレーキをかけるような動作(これを”伸張性収縮“と言います)を繰り返すと、筋肉痛が起こることがわかっています。
この”伸張性収縮“を行うと筋肉内の血管が圧迫され血液の巡りが悪くなります。血流が悪くなると、筋肉へ供給される酸素が足りなくなり酸欠状態になります。
酸欠状態になると、筋肉への酸素を確保しようと血流を促す物質である”ブラジキニン”が血管外へ放出されます。このブラジキニンは刺激物質でもあり、知覚神経を興奮させ筋膜にあるセンサーを介して脳へ痛みを伝えているのです。
この「伸張性収縮説」は、あくまで現時点では仮説とされていますが、従来の定説にまつわる様々な疑問点をカバーしているため、個人的には”筋肉痛“の発症メカニズムを十分に説明しているのではないかと思います。
“筋肉痛”を起こした時の対処法
では、”筋肉痛“が起きてしまった場合に自宅でもできる対処法について、お話しましょう。
前述した通り、筋肉痛は”伸張性収縮“を繰り返した筋肉内の血流不足によって生じるということになります。
そのため、この筋肉の血行を良くすることを如何にして行うのかがポイントになります。
では、このポイントをふまえ、筋肉痛を即効で治す対処法を紹介しましょう。
1.運動直後の場合は冷やす
運動直後から筋肉痛を発症した場合は、ダメージを受けた筋肉部位では炎症反応が顕著であり、筋肉が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。この場合には、すぐさま冷やすことを心がけましょう。
但し、患部を冷やし過ぎると筋肉への血流障害と筋肉のこわばりを招き、痛みが中々引かない要因になりますので、冷やすのは運動直後から6時間以内が良いでしょう。
運動直後から6時間以上経過し炎症が鎮まってきたら、以下の方法で筋肉内への血流を促すことをしましょう。
2.炭酸足浴
足浴は体に大きな負担をかけることなく全身を温め、手足末端への血流を促す効果があります。40℃程度のお湯に15分間足首まで浸すだけでも良いのですが、炭酸水を加えたお湯で足浴を行うと更に効果的です。
炭酸ガスは温度に関係なく血管を広げる作用があるため、炭酸足浴を行うと足の皮膚から吸収されることで、効率よく血行を促す事ができるのです。市販の炭酸浴剤をお湯に溶かして足浴すると良いでしょう。
3.湿布薬と貼るホッカイロを使用する
基本的に湿布薬は温あるいは冷のどちらでも大丈夫ですか、温湿布のほうが血流を促す作用があるので良いとされています。
但し、温湿布は冷のものに比べ、使用後皮膚のかゆみやヒリヒリした痛みといった副作用を認める方もいます。
このような副作用のため温湿布の使用が難しい方でも、冷湿布を使用する場合は、その上から貼るタイプのカイロを貼りつける方法は、効果てきめんです(但し、使用時間は2時間程度にしましょう)。
4.マグネシウムを摂取する
マグネシウムには筋肉の緊張を緩めると共に血管を広げる作用があります。血行が良くなることで、エネルギー代謝が促進され、疲労回復につながるため、マグネシウムは筋肉痛に陥った場合に必要不可欠となるミネラルなのです。
では、筋肉痛になった場合に効率良くマグネシウムを摂取するには、どのようにしたらよいのでしょうか?
最も良い方法は、以下のようになります。
・薄い濃度の塩化マグネシウム(ニガリの主成分)溶液を飲む。
・硫酸マグネシウムを入れた風呂に浸かる。
・50%濃度の塩化マグネシウム溶液を作り、これをスプレー瓶に入れて直接患部へ噴霧する。
以上が私がお勧めする筋肉痛の対処法になりますが、これらの対処法を行って1週間以上経過しても、筋肉痛が改善しない場合は肉離れや骨折をきたしている可能性が考えられるので、早めに整形外科を受診することをお勧めします。
“筋肉痛”の効果的な治療法と予防法について
1.運動前後のストレッチ
運動前後にストレッチを行い筋肉の緊張を取ってやると、筋肉への血行が良くなり筋肉に柔軟性が出てきます。筋肉が柔らかくなることによって伸縮性が高まり、”伸張性収縮“に伴う筋肉痛を起こしにくくなるのです。
運動前に行うストレッチは、筋肉をほぐし、関節を動かせる範囲を広げることを目的とした”動的ストレッチ“が良いです。このストレッチは、筋肉の温度と柔軟性を高める効果があり、ラジオ体操やジョギングをウォームアップとして行うのがお勧めです。
一方、運動後の場合は筋肉内に滞った老廃物を排出する事を目的とした”静的ストレッチ“を行う必要があります。このストレッチは、関節を動かせる範囲ギリギリまで筋肉を20秒間伸ばす方法であり、筋肉の柔軟性を維持するのにも効果的です。
2.アミノ酸や抗酸化物質を補給する
アミノ酸は激しい運動の後、筋肉の疲労回復を早める効果があります。例えば、筋肉の主成分である分岐鎖アミノ酸(BCAA)やアルギニン・オルニチンといったものがあります。
抗酸化物質もアミノ酸と同様に、筋肉の疲労回復を早めてくれる効果がありますが、この作用効果がアミノ酸よりも強いということがわかっています。代表的なものとしては、ビタミンC、ポリフェノールやビタミンE等があげられます。
これらのものを運動前にしっかりを補給しておくと良いでしょう。
以上が、”筋肉痛“に効果的な治療法になります。
“筋肉痛“による痛みでお悩みの方は、上記に挙げた治療法を是非参考にしてみて下さい。
この他にも整形外科に受診される患者さんに多い症状に対する治療法も下記にご紹介していますので、興味がある方は是非お役立て下さい。
整形外科医が”膝痛”の治療で効果的な方法を解説
整形外科医が”腰痛”の治療で効果的な方法を解説
整形外科医が”肩こり”治療で効果的な方法を解説
この記事を最後までご覧頂きありがとうございました。
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