整形外科医が”肉離れ”の治療で効果的な方法を解説

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整形外科で相談可能な”肉離れ“の効果的な治療について、この記事をご覧頂き有難うございます。

久々にスポーツや運動をして、ちょっと頑張った瞬間に筋肉が「ブチ」っと切れた感触を覚えた!?そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?”肉離れ“に伴う痛みは経験した人じゃないと中々わからない激痛ですよね。

そこで今回は、”肉離れ“による痛みに悩んでいる人達の助けに少しでもお役に立てたらと思い、この記事では”肉離れ“に関する情報として、

・”肉離れ“によって痛みが生じるメカニズム

・”肉離れ“を起こした時の対処法

整形外科医が勧める”肉離れ“の効果的な治療について

以上の内容について紹介していますので、もし今あなたが”肉離れ“による痛みで困っている、または周囲の人から”肉離れ“の痛みについて相談をあなた自身が受けた場合、この記事内容をご活用下さい。

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“肉離れ”によって痛みが生じるメカニズム

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そもそも”肉離れ“とは、急激に、かつ強制的に限界を超えた強さで筋肉が引き伸ばされることで、筋膜や筋繊維の一部が切れたり裂けたりした状態を言います。

筋膜には血管や神経がたくさん走っているため、”肉離れ“を起こした際に筋膜が傷つけられることで出血や痛みが生じるのです。

この”肉離れ“は「走る」「蹴る」といったスポーツ活動により生じる傾向があります。太ももふくらはぎの部位で起こりやすいです。

 

“肉離れ”を起こした時の対処法

では、”肉離れ“はどんな時に生じるのでしょうか?

実は、未だこの事は十分に解明できておりませんが、筋肉の使い方が大きく関与していると考えられます。

例えば、筋肉の中のある部分は良く使われるが、別の部分は全く使われていないといった両極端なケース。このケースでは、筋肉の中のある部分に過度な力が一極集中してかかることで、筋膜が切れやすくなる傾向がみられるようです。

寒冷の時期や疲れが十分にとれていないうちに、過度なスポーツをした人に”肉離れ“をきたす傾向が多くみられますが、これは筋肉の使い方をうまくコントロール出来ていなかった事が要因だと思われます。

スポーツ活動中に突然、太ももやふくらはぎに強い痛みを感じたら、”肉離れ“をきたしている可能性が高いので、すぐに活動を中止し応急処置を行い、医療機関へ受診しましょう。

ここで、痛みをこらえてスポーツを続けることは絶対にやめましょう!

肉離れ“をきたした部位の範囲が広がる、もしくは筋膜や筋繊維が完全に切れてしまう恐れがあるからです。

応急処置は”肉離れ“を起こした部位の出血、腫れと痛みを最小限に抑える事を目的に、怪我をした部位(これを患部といいます。)を安静(Rest)にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患部を挙上させること(Elevation)が基本です。

1.Rest(安静)

副子やテーピングを用いて患部を固定し、患部の動きを制限します。

2.Ice(冷却)

ビニール袋やアイスバッグ内に入れた氷を患部にあて冷やします。15~20分冷やしたら(患部の感覚が無くなったら)氷を外し、また痛みが出てきたら冷やします。これを繰り返します。

この時に患部の皮膚に直接氷をあてずに、氷が入っているビニール袋やアイスバッグをタオルにくるむようにします。

日常の診療で受傷直後から湿布剤を使用している患者さんをみかけますが、特に市販の湿布薬には血管を広げる作用がある薬剤が含まれている事が多いので、逆に痛みを悪化させてしまう恐れもあります。

そのため、怪我した直後に市販の湿布薬を使用することは、控えた方が無難だと思います。

3.Compression(圧迫

スポンジやテーピングパッドを腫れが予想される部位にあて、テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定します。

4.Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置へ挙げるようにします。この処置を行わないと重力の影響を受けて患部の腫れがひどくなってしまいます。

以上にあげました4つの対処が応急処置に必要なものとなります。これらの処置は頭文字を取って“RICE”を呼称します。

 

整形外科医が勧める”肉離れ”の効果的な治療について

“肉離れ”を治療するにあたって、まず重症度によって治療期間が異なること再発を防止するためにもリハビリテーションが必要不可欠である事を把握する必要があります。

“肉離れ”には少なくとも3つのタイプがあることがわかっています。

Ⅰ型:出血型(出血のみ認めるタイプ)

Ⅱ型:筋腱移行部損傷型(筋腱移行部が破綻しているタイプ)

Ⅲ型:筋腱付着部損傷型(筋腱付着部が完全に断裂しているタイプ)

一般的にⅠ型Ⅱ型が同程度多くみられ、Ⅲ型は数%程度しかみられません。

Ⅰ型では出血によって筋肉内の圧が高まり、痛みが出てきますが、筋肉の機能には悪影響を及ぼすことは殆どありません。
このため早期の回復が期待できるのです。

Ⅱ型では筋腱移行部が破綻することにより、機能障害が目立ち、筋腱移行部の修復状況が治療期間を左右します。

更にⅢ型になると、筋肉の機能まで著しく損なわれ、このようなケースでは手術を検討する必要があります。

このようなことから、Ⅰ型は1~2週でスポーツ復帰が可能ですが、Ⅱ型では復帰に平均約6週、Ⅲ型では数ヶ月を要すると言われています。

怪我をしてから1~2週間経過して痛みや腫れが落ち着き、移動や歩行動作などの日常動作がある程度可能になったら、リハビリテーションを開始します。

以上が、“肉離れ”に効果的な治療法になります。

“肉離れ”による痛みでお悩みの方は、上記に挙げた治療法を是非参考にしてみて下さい。

 

この他にも整形外科に受診される患者さんに多い症状に対する治療法も下記にご紹介していますので、興味がある方は是非お役立て下さい。

整形外科医が”膝痛”の治療で効果的な方法を解説

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この記事を最後までご覧頂きありがとうございました。

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