
整形外科での実施可能な”肩こり”治療について、この記事をご覧頂き有難うございます。
”肩こり”は、日本人の国民病と言われており、最近では年齢を問わず中学生や小学生までもが、”肩こり”の痛みを訴え整形外科を受診することも決して珍しくありません。
”肩こり”の痛みで整形外科を受診する患者さんの中には、
・整体院で電気治療、マッサージや指圧といった施術を受けたけれども、かえって痛みが悪化してしまった
・市販の鎮痛剤や湿布薬を使用して過ごしていたけれども、痛みがどうにもひかない
こうした”肩こり”の痛みに悩まされ心身ともに疲労困憊している人達をみかけます。
この記事では、整形外科で相談可能な”肩こり”の効果的な治療に関する情報として、
肩こりが生じるメカニズム
肩こりを放置すると生じる弊害
肩こりの効果的治療法について
以上の内容についてご紹介していますので、もし今あなたが肩こりによる痛みを抱えている、または周囲の人から”肩こり”の相談をあなた自身が受けた場合、効果的な”肩こり”治療を提供してくれる医療機関選びにご活用下さい。
”肩こり”が生じるメカニズムとは
そもそも“肩こり”を漢字に当てはめると“肩凝り”と表記できます。
凝りとは「固まる」という意味ですが、”しこり”とも読むことができ、肩こりを訴える多くの患者さんでは、肩の筋肉に”しこり”が存在しているのです。
この筋肉の”しこり”を、”筋硬結”といいます。
筋硬結は骨と間違えるほど筋肉がこわばり硬くなったものです。
実は、この筋硬結が痛みの引き金となっているのです。実際に、この部分を押すと飛び上がる程痛がる人がほとんどです。
また、筋硬結が存在する場所では、疲労、ストレスや気圧・気温の変化によって痛みを生じやすいと言われています。
では、筋硬結はどのようにして形成され、痛みを誘発させるのでしょうか?
それは一言で言えば、“筋肉を必要以上に使い過ぎたことによる過労と外傷”によって筋硬結が生じるのです。
人間の筋肉は意外にもデリケードで、些細なことでダメージを受けたり動きが悪くなってしまいます。
過度に使った筋肉は傷んでしまい、その筋肉に”けいれん“が起こります。
”けいれん”が生じた筋肉は硬くなり、その結果筋硬結が形成されるのです。
この筋硬結が生じ硬くなった筋肉周辺では、血管が圧迫され血の巡りが悪くなります。
血流が悪くなると、筋肉細胞の酸素が足りなくなり酸欠状態に陥ります。
この酸欠という危機的状況に反応して、血液中から発痛物質となる”ブラギニン”が血管外へ放出されるのです。
この発痛物質が知覚神経を興奮させ、痛みとして脳へ伝わるのです。
これが、“肩こり”が生じる発症メカニズムになります。
”肩こり”を放置すると生じる弊害
では、この“肩こり”に伴う痛みが治まらない状態が続くと、どのような弊害が生じるでしょうか?
実は、恐ろしい結末が待ち構えているのです。
その結末とは、
・痛みの範囲が広がり、全身にまで及んでしまう。
・疲労感、冷感、強ばり、しびれ感、脱力、ふらつき、睡眠障害、乾燥、便秘下痢、頻尿、不安感、抑うつ感などの自律神経症状をきたしてしまう。
すなわち、日中問わず日々全身の痛みによるストレスにさらされてしまうのです。
想像するだけでも、ゾッとしませんか?
こうなると、集中力も低下しているので、仕事は勿論、家事すらもできません。
痛み止めの薬を飲んだり、湿布薬を貼ったりするだけでは、この痛みによる苦しみから開放されることは難しく、ひたすら横になって痛みを必死に堪えることしかできないのです。
今まで、このような結末を迎えた患者さんを私は何人も見かけたことがあります。
なので、“肩こり”に伴う痛みが悪化しないうちに、痛みの治療を早めにうける事が重要なのです。
”肩こり”の効果的治療法について
では、最後に”肩こり”に効果的な治療法について、お話したいと思います。
まず、最初に紹介するのは“肩こり外来”という専門外来です。
この外来は“肩こり”そのものを完治させる事を目的とした診療を行っております。
では、“肩こり外来”で行われている治療とは、一体どのようなものなのでしょうか?
それは、一言で言うと“オーダーメイド治療”なのです。
“肩こり”の状態は、患者さんによって十人十色であり、痛みを伴う場所、痛みの程度も人によって異なります。
更に、“肩こり”の要因も人それぞれです
この“オーダーメイド治療”では、そうした痛みを検証して可及的に取り除くことで、“肩こり”そのものを完治させるために、患者さん一人ひとりに合わせたアプローチをしていきます。
例えば、内臓疾患やうつなどの病気が肩こりの原因と判断された場合は、その病気の治療と併行してマッサージ、低出力レーザー照射法、極超短射照射、電気を使った治療を行っていきます。
また、痛みの程度によっては注射療法、内服薬、鍼灸治療などを行うケースもあります。
内服薬については、原因によってさまざまですが、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗不安薬、漢方薬などを処方されることがあります。
ただし、この薬が効く人もいれば、効かない人もいます。
“肩こり外来“を扱うクリニックや病院が増え始めているので、一度相談してみると良いでしょう。
しかし、「“肩こり外来”を扱う医療機関を探してみましたが、近くにありませんっ!!どうしたら良いでしょうか?」という方もいらっしゃるでしょう。
そういう方も御安心下さい。一般外来でも相談可能で、“肩こり”に有効なオススメな治療を紹介しましょう。
辛い“肩こり”を治すためには、筋肉へ直接アプローチする事と自律神経を調整する事が必要になります。
この要件を満たす治療法として、以下のものがあげられます。
1)トリガーポイント注射
痛みの引き金となる筋硬結(いわゆるコリです。)を認める部分へ直接局所麻酔薬を注入します。この注射薬を注入された部位では筋肉内の血管が拡がり血流が再開されます。
血流が良くなると、硬くなっている筋肉内の疲労物資tや発痛物質が洗い流されるので、痛みが和らぐのです。
この注射を受けた患者さんの中には、極まれにしびれ感やだるさを訴える方もいますが、こうした症状は筋肉周辺の神経に注射薬の作用が及んだ影響によるものなので、しばらくすると落ち着いてきます。
2)神経ブロック注射
痛みを誘発させている筋肉を支配している神経やその周囲に局所麻酔薬を注入する治療法です。この注射を行うと、発痛物質により興奮した知覚神経の働きを抑えることができます。そうすると、筋硬結部への血流が回復し痛みが和らぐのです。
この注射を受けた患者さんの多くは、”注射を受けた後、痛みを感じていた場所がポカポカしてきて、痛みも大分楽になりました。”とコメントしてくれます。
この神経ブロック注射には色々な種類があります。
中でも、“肩こり”に効果的な神経ブロック注射としては、肩甲上神経ブロックと星状神経節ブロックがあります。
・肩甲上神経ブロック
肩甲上神経は肩甲骨の頭側辺りを走行している神経ですが、この神経周囲に局所麻酔薬を注入することで肩関節やその周囲に生じる痛みを和らげることができます。
・星状神経節ブロック
星状神経節とは、簡単に言うと首の付け根付近にある”神経のツボ”です。この神経節に筋肉の緊張に関与する交感神経細胞が集まっており、星の様な形をした構造になっているため、星状神経節と呼ばれています。
この神経節へ局所麻酔薬を注入することで、痛み刺激で興奮している交感神経の働きを抑えます。交感神経の過度に働くと、筋肉が緊張し硬くなるだけでなく、副交感神経とのバランスが崩れ自律神経にも悪影響を及ぼし、自律神経症状を認めるようになります。交感神経の興奮を抑えることで、筋肉の緊張を解き、自律神経の働きを整えることができるのです。
このように星状神経節ブロック注射は痛みを和らげると同時に自律神経症にまで効力を発揮してくれる素晴らしい治療法なのですが、この手技を行う上で様々な危険性が潜んでいます。
基本的に、首の付け根に相当する喉付近には神経や血管が集まっている場所です。そこに注射をするわけですから、針先がずれて当たり所が悪いと、声がかすれたり、飲み込みができないといった障害が残ってしまうことがありますし、薬剤が直接血管内に入ってしまうとけいれん発作や呼吸停止、処置が間に合わなければ心停止、脳障害などを起こす可能性もあります。一度骨に当たってめくれた針先で頸動脈をすっぱり切って大出血を起こした事故もあったそうです。
このお話をしてしまうと、せっかくこのブロック注射に興味を持ったのに、怖くて治療を受ける事を躊躇してしまう方もいるかもしれませんね。これはあくまで最悪のケースでのお話しで、頻繁に起こるわけではないですからね。そうでないと、とっくに厚労省から廃止命令が出て普及しませんから。星状神経節ブロック注射自体は主に麻酔科外来やペインクリニックで多く行われているので、治療を受けたい方は一度相談してみることをおすすめします。
3)スーパーライザーによる星状神経節照射
星状神経節ブロック注射を受けてみたいけど、注射がどうも苦手だという方もおわれるでしょう。そこで登場するのが、“スーパーライザー”という機械を用いた星状神経節ブロックです。
この機械は近赤外線を星状神経節をめがけて照射するだけで、上記で紹介したブロック注射と同じような効果を与えてくれます。患者への体の負担は少なく、手技自体も比較的簡便なため、麻酔科医のみならず、整形外科、内科を始めとした他科の先生でも、この機械一つで星状神経節ブロックが可能なのです。そのため、最近ではこの“スーパーライザー”による星状神経節照射を扱う医療機関が増えてきております。
この星状神経節照射は注射よりも時間と通院回数はかかる事が欠点ですが、注射よりもリスクがはるかに少ないし、注射が苦手な患者さんにも安心して治療を受けて頂くことができますよね。もし自律神経症まで患うくらい辛い”肩こり”で苦しんでいる患者さんが私のところへ相談にきた場合、その患者さんには個人的にトリガーポイント注射、温熱療法等と一緒に、この星状神経節ブロックも勧めていると思います。
以上が、“肩こり”に効果的と思われる治療法になります。
あなたが普段から辛い“肩こり”を抱えており、整体院で電気治療やマッサージを受けたり痛み止めの薬を飲んだり貼ったりしても、一向に痛みが治まらず困っているようでしたら、上記に挙げた治療法を是非参考にしてみて下さい。
この記事を最後までご覧頂きありがとうございました。
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